雑記

雨の日のほうが晴れることもある。

外にいるときは雨が嫌いだけど、家にいるときは雨のほうが好きです。 小窓の向こうでしとしと降りだす雨。隣の家の瓦屋根に落ちる雨粒を時折見やったり、その時に生じる雨音を聞きながら、本を読んだり、作業をするのが好きです。 なぜだかわからないけど、…

ゴミ屋敷の車。

鉄板の上でじゅうじゅう焼かれているお好み焼きの気持ちが今ならわかるくらい、外が暑い。息を吸うと喉が焼けてしまうのではないかと心配になるほど、灼熱の太陽の光が僕の全身をめがけて降り注いでくる。 国道の横断歩道の信号が青になって渡ろうとしたら、…

ペウカミ

履くだけで気分が上がってしまう靴ってありますよね。僕にとってそれはカンペールの定番モデルのペウカミで履いているだけでちょっと気分が高揚してしまう。念願だった靴をようやく手に入れた高揚感もあると思うが、履いてみると、想像以上に歩きやすく、「…

静かに蚊が刺してきた。

痒い。足のあちこちがムズムズする。無意識のうちに手が両足に伸びてボリボリ掻いている。 そのとき僕は、突き刺さる陽射しに耐えながら、緑が多い公園のベンチで友人の息子が遊具でキャッキャと遊んでいる姿を「平和だなあ」と眺めていた。友人の子どもを筆…

夏の始まりを予感させる朝。

まだくっきりと目が覚めていない中、オードリーのオールナイトニッポンを聴きながら、冷蔵庫から小松菜、ブロッコリー、玉ねぎを取り出し、台所でそれぞれの食材を小さくカットする。一週間分の夜ごはんの材料をジップロックにパッキングしてひと息つく間も…

ロックな人とは。

セブンイレブンでアイスを物色していると店内に入ってきた一人の男に目を奪われた。黒の革ジャンに革パンツスタイルで、ウォレットチェーンをぶら下げ、靴はおきまりのようにブラックブーツを履いている。絵に描いたようなロックシンガーの格好をした人だ。…

知らない道。

考えごとをしながら歩いていたら知らない道に迷い込んでしまった。近所のはずなのに見たことのない場所だ。はて、いったいどこで道を間違えたのだろう。 さて、グーグルマップを立ち上げるかどうか。グーグルマップさんに尋ねれば、こうして道に迷っても現在…

おいらはカエル。

ゲコゲコ。おいらはアズマヒキガエル。名前はない。ニンゲンたちはカエルって呼ぶ。おお、またおいらの魅力に釣られてニンゲンがやってきた。 この小さな立方体の空間に連れてこられてから二年ほど経っている。多摩川のほとりの茂みで遊んでいたら、ニンゲン…

雨の日の買い物

雨が「よっしゃ、そろそろ本気出していくよー!」という風に腕まくりする勢いで降り出した。窓の外からおびただしい数の雨音がザーザーと聞こえてくる。およよ、これはもしかしたらお出かけ日和かもしれない、と部屋着から外用のシャツにサクッと着替えた。 …

映画三昧

5月は28本の映画を見た。テレワークだったことで通勤がなくなり、終業するやいなや服を脱いで風呂に入って、ごはんを作って映画鑑賞の生活を送っていた。平日も休日も関係なく、ほぼ毎夜の習慣のように。 メジャーな作品からマイナーな作品、ファンタジーか…

梅酒を買う。

梅雨入りの今日、梅酒を買った。 「ザ・チョーヤ」という梅酒。 お酒はほんとうに久々だ。 いちばん最後に飲んだ酒を思い出せない。 いったいいつのことだろう。 記憶をまさぐっても出てこない。 遠い遠い日のことなんだ、きっと。 今日、梅酒を買ったのは、…

NBA JAPAN GAMES 観戦記

何を隠そう(べつに隠してはないんですが)、僕はバスケ好きである。中学、高校、大学と僕の学生生活はバスケとともにあった。だから、バスケットの世界最高峰のリーグであるNBAは、あらゆるスポーツの中でいちばん好きなスポーツです。シーズン中は、うちに…

銭湯に行った。

今日、というよりも、つい先ほど、近所の銭湯に行った。凍える寒さに湯船が恋しくなり、体を温めたかったのだ。それから、なんとなく、うじゃうじゃいろんなこと──主に仕事のこと──が頭を行き交う状態だったので、それをクリアにしたかった。そういうときに…

誕生日は、歳よりも周年。

まもなく誕生日がやってくる。子どもの頃は嬉しかった誕生日も、さして嬉しいという感情が湧いてこない年齢に差し掛かってきました。人生の後半と呼ぶにはまだ早いけど、もう若いと言われる年齢ではないし、言動や格好を抜きにして年齢という数字だけを見れ…

初めての避難所。

この一週間、「記録的な暴風雨」「警戒レベル5」「命を守る行動を」といった危機的な状況を知らせる言葉をたくさん耳に、あるいは目にした。テレビでも、ラジオでも、ネットニュースでも、キャスターが、専門家が、気象庁の職員が、大勢の人に向かって呼び…

サボる才能。

才能というものはなにも選ばれた人間にしか贈られない特別なギフトではない。この世界に生まれた一人ひとりに他人より秀でたものが備わっている(と思っている)。絵を描くことが得意な人もいれば、車の運転が上手い人もいる。人を笑わせることが得意な人も…

好きな食べ物はなんですか。

「好きな食べ物は何ですか?」と聞かれることがある。おそらく会話の沈黙を埋めるための質問で大した意味はない。まあ時候のあいさつのようなものである。でも、僕は自分でも馬鹿だなあと思いつつ、好きな食べ物について腕を組んで真剣に考えこんでしまう。…

子どもがかわいいのはどうしてだろう?

付き合いの長い友人の息子にジョージという男の子がいる。つい先日4歳になったばかりの幼児だ。彼は親も手を焼くようなヤンチャ坊主で素直に言うことを聞くタイプではない。 このあいだ、ジョージパパ(つまり、僕の友人)、ジョージ、僕の3人で、ショッピ…

静謐を買う。秘湯・中房温泉。

山の夜は、真冬の雪夜のように静謐です。僕は今、長野の山奥にある温泉旅館にいます。縁側の椅子に腰掛け、静かな、それでいて、良質な時間を過ごしています。 北アルプスの燕岳の登山口にある「中房温泉」という温泉旅館。東京から電車とバスを約4時間ほど…

日常に読点を打つようなお寺。鎌倉の妙本寺。

「鎌倉の『妙本寺』というお寺が好きなんです」と打ち明けてくれたのは会社の同僚だった。なんでも駅近のわりには、人が少なく、とても落ち着けるいい場所だと彼は言う。失礼ながら、僕はそのお寺の存在を一切知らなかった。これまで何度か鎌倉に訪れ、その…

これは見事な景色だ。蛭ヶ岳登山(丹沢主稜縦走)

2019/5/5〜5/61日目:西丹沢ビジターセンター〜檜洞丸頂〜臼ヶ岳頂〜蛭ヶ岳頂〜蛭ヶ岳山荘(泊)2日目:蛭ヶ岳山荘〜丹沢山頂〜塔ノ岳頂〜大倉BS 3月の中頃、山好きの友人から、「ゴールデンウィークにご来光を拝む登山を計画しています」という連絡をも…

買ってよかったと思うものは、たいだい、いい値段のするものだ。

数年ほど前から、自己資金を捻出して手に入れたアイテムを自己評価するという習慣が続いている。20XX年はコレ、という具合に、その一年のうちに手に入れた全アイテムの中からもっとも買ってよかったと思うもの──あるいは限りなく後悔の少ないもの──を選ぶの…

残業の日々となつぞらとパン屋さん。

えんえんと降りやまない梅雨の雨のように残業の日々がつづいている。来る日も来る日も、終電や終電間際まで働き、週末も、休日という日が遠い星の出来事のように僕は出社して働いていた。とにかくいろいろな仕事が同時進行ですべからくエンジンフルスロット…

劇団あおきりみかん 20周年公演「ワード・ロープ」を観に行く。

桜の開花宣言が飛び出した春のはじまりに、会社の同僚に誘われて舞台を見に行った。南山大学の演劇部のOB・OGが立ちあげた「劇団あおきりみかん」という劇団の舞台です(20年もつづいている息の長い劇団)。僕にとって舞台というものはまったく門外漢のジャ…

図書館という、もう一つの僕の本棚。

土曜日の朝になると、僕は無意識に着替え、無意識に顔を洗い、無意識に図書館にでかける。おきまりの行動がじぶんの中にプログラムされているみたいだ。出かけるときも自宅から徒歩5分という好立地にあるので、重い腰をあげるような状態になることはなく(…

みんなって、何人?

小学生の頃、学校の授業を終えてうちに帰ると玄関先ですぐさまランドセルを床に放り投げ、靴も脱がずにその足で近所の公園に出向いて、同年代の友人たちとサッカーをしていた。日が暮れるぎりぎりの時間までサッカーボールを追いかけていたのを今でもわりと…

3月31日も大掃除の日にするのだ。

桜は開花し、街は彩りに満ちてくる2019年3月のおわりに僕はまだ2018年を生きている。どういうことかと申し上げますと、僕の部屋はまだ2018年のままなのだ。まるで片づいちゃいない。そりゃあ、風呂掃除したり、床をキレイに拭いたりするような小掃除はして…

僕は、僕の手を差別していた。

左手で箸を持ち、飯を食っていると、僕と初めて食事を共にした人は、「左利きなんですか?」と訊ねてくる。不思議なことにかなり高い確率でこの質問が飛んでくるので、世の中の人は左利きに対する興味・憧れ・好奇の目があるのかなあ。もっとも、単に初対面…

SPECIAL OTHERS HALL TOUR2019 QUTIMA Ver.25

2019年3月17日、日曜日の午後2時過ぎ、僕は横浜のみなとみらいにある神奈川県民ホールに訪れていた。SPECIAL OTHERS(通称スペアザ)のライブがこのホールで行なわれるからである。僕はチケットを購入した昨年末から、夜の海辺で流れ星を待つ少年のように…

STARBUCKS RESERVE® ROASTERY TOKYOに行く。

日曜日の朝。部屋の掃除をしていると友人から「中目黒にできたスタバ行かない?」というラインが届いた。先月末にオープンした「スターバックスリザーブロースタリートーキョー」のことだろう。僕は迷った。スターバックスに対して強い思い入れはないし、そ…