2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

おそるおそる歩いた山。【大楠山】

○ 前日譚行ってみたかった街がある。僕はいまコンクリートジャングルの一角に住んでいるのですが、いずれは自然豊かな街に住みたいなあという気持ちが心の隅にずっとあって、三浦半島の逗子という街に前から興味があった。鎌倉までは行ったことはあるけど、…

吾輩は猫背である。

吾輩は猫背である。名前はまだ無い、わけがない。どこで生れたかとんと見当はつく。広島である。何でも薄暗い病院でオギャーオギャー泣いていた事だけは記憶している。吾輩の背中はこの時から立派に丸まっていたのだろう。 吾輩の事を知っている人間が見れば…

魂が共鳴してしまった喫茶店。【トンボロ】

お店の根っこにある魂とじぶんの根っこにある魂が共鳴するような、とても居心地のいい喫茶店に出会ってしまった。神楽坂の路地裏にある「トンボロ」という喫茶店です。 戸を開けた瞬間から「トンボロ」が僕のお気に入り喫茶店リストに入るまで時間はいらなか…

僕らはみんな夜景の点灯員。

うちに帰ってまずすることは、お風呂に入ることよりも、ごはんを食べることよりも、音楽をかけることよりも先に明かりをつけることである。電気をつけないことには部屋の中をまともに歩けないし、なにをするにも暗闇のままだと困ってしまう。それこそまちが…

おじさんにナンパされたときの話。

電車で知らないおじさんにナンパされたことがある。 僕よりだいぶ年配のNさんと一緒に帰っていたときのことだ。Nさんは会社の上司でもなく、学校の先輩でもない。お昼時によく出かける定食屋の常連のひとりでそこで知り合った間柄である。ふだんは寡黙だが、…

なんども歩きたくなる山。【陣馬山〜高尾山】

○ 8:10 陣馬高原下バス停2018年5月11日土曜日。晴天。僕は山間を走る早朝のバスに揺られていた。一週間の仕事を終えた金曜日の夜、山にまみれたい気持ちがうねるように高まって、あしたは山に行こうと決めたのだ。「なぜ山に登るのか?」「そこに山があるか…

スーパーは理性と本能の戦場だ。

仕事を終え、最寄駅を降りて、今宵の献立を一考しながらスーパーへと向かう。惣菜コーナーにたどり着き、好物の「かに玉あんかけ」や「ポテトコロッケ」が残っていることを発見すると、とたんに心は弾みだし、上機嫌になる。お酒を呑まない僕にとってそれら…

体に火がついた650円の湖南料理。【紅龍】

昼下がりに空っぽになったお腹を満たすため、神楽坂の路地を歩いていると「1時よりランチメニュー全品★650円★」という看板を見つけた。何も装飾されていないテキストだけのシンプルな看板である。が、そのワンフレーズは金欠の僕の胸にぐさりと突き刺さった…

コーヒーは砂時計のように消えていく。【カフェ・ラパン】

JRの御徒町駅から歩いてほどない場所に『カフェ・ラパン』という喫茶店がある。ぼくはこのお店の店主が淹れてくれるコーヒーとタマゴトーストのファンで折をみてはいそいそと訪れます。 コーヒーは決まって「ラパン・ブレンド」を頼みます。ラパン・ブレンド…

ほしいものなんて、本当はないのかもしれない。

ある万年筆がほしかった。喉から手がでるほどほしかった。デザインは文句のつけどころがないほど気に入ったし、文房具屋に赴いて試し書きをさせてもらったところ、書き心地も申し分ない。書くという行為を高いクオリティでもてなしてくれる万年筆で品格もあ…

どうして「尻笛」ではないのだろう。

あまり美しくない話です。ぼくはオナラをよくします。「よく」という二文字に背負わせるのも憚られるくらい、頻繁にこきます。もしこれまでのぼくのあらゆる行いを数値化したら、くしゃみの回数より、放屁の回数のほうが多いと断言できる。それもかなり圧倒…

トイレットペーパーの芯をいつも交換しているような気がする。

ぼくは宝くじを買っても当たったことはないし、ロト6を買っても当たったことはないし、何かのくじで当選する、ということは記憶の限りないとは思うんだけど(なので、買うこともほとんどありませんが)、トイレットペーパーの芯の交換にはよく当たる。会社…