2019-01-01から1年間の記事一覧
ハロウィンがやってくると、僕は毎年、数年前に起こった出来事を思い出す。 無数の人がコスチュームを着て、ぞろぞろと街を練り歩く日の夜、僕は仲のいい友だちと六本木のクラブに行った。ふだんからクラブ通いをしていたわけではないんだけど、ハロウィンと…
何を隠そう(べつに隠してはないんですが)、僕はバスケ好きである。中学、高校、大学と僕の学生生活はバスケとともにあった。だから、バスケットの世界最高峰のリーグであるNBAは、あらゆるスポーツの中でいちばん好きなスポーツです。シーズン中は、うちに…
今日、というよりも、つい先ほど、近所の銭湯に行った。凍える寒さに湯船が恋しくなり、体を温めたかったのだ。それから、なんとなく、うじゃうじゃいろんなこと──主に仕事のこと──が頭を行き交う状態だったので、それをクリアにしたかった。そういうときに…
まもなく誕生日がやってくる。子どもの頃は嬉しかった誕生日も、さして嬉しいという感情が湧いてこない年齢に差し掛かってきました。人生の後半と呼ぶにはまだ早いけど、もう若いと言われる年齢ではないし、言動や格好を抜きにして年齢という数字だけを見れ…
この一週間、「記録的な暴風雨」「警戒レベル5」「命を守る行動を」といった危機的な状況を知らせる言葉をたくさん耳に、あるいは目にした。テレビでも、ラジオでも、ネットニュースでも、キャスターが、専門家が、気象庁の職員が、大勢の人に向かって呼び…
才能というものはなにも選ばれた人間にしか贈られない特別なギフトではない。この世界に生まれた一人ひとりに他人より秀でたものが備わっている(と思っている)。絵を描くことが得意な人もいれば、車の運転が上手い人もいる。人を笑わせることが得意な人も…
「好きな食べ物は何ですか?」と聞かれることがある。おそらく会話の沈黙を埋めるための質問で大した意味はない。まあ時候のあいさつのようなものである。でも、僕は自分でも馬鹿だなあと思いつつ、好きな食べ物について腕を組んで真剣に考えこんでしまう。…
付き合いの長い友人の息子にジョージという男の子がいる。つい先日4歳になったばかりの幼児だ。彼は親も手を焼くようなヤンチャ坊主で素直に言うことを聞くタイプではない。 このあいだ、ジョージパパ(つまり、僕の友人)、ジョージ、僕の3人で、ショッピ…
山の夜は、真冬の雪夜のように静謐です。僕は今、長野の山奥にある温泉旅館にいます。縁側の椅子に腰掛け、静かな、それでいて、良質な時間を過ごしています。 北アルプスの燕岳の登山口にある「中房温泉」という温泉旅館。東京から電車とバスを約4時間ほど…
「鎌倉の『妙本寺』というお寺が好きなんです」と打ち明けてくれたのは会社の同僚だった。なんでも駅近のわりには、人が少なく、とても落ち着けるいい場所だと彼は言う。失礼ながら、僕はそのお寺の存在を一切知らなかった。これまで何度か鎌倉に訪れ、その…
2019/5/5〜5/61日目:西丹沢ビジターセンター〜檜洞丸頂〜臼ヶ岳頂〜蛭ヶ岳頂〜蛭ヶ岳山荘(泊)2日目:蛭ヶ岳山荘〜丹沢山頂〜塔ノ岳頂〜大倉BS 3月の中頃、山好きの友人から、「ゴールデンウィークにご来光を拝む登山を計画しています」という連絡をも…
数年ほど前から、自己資金を捻出して手に入れたアイテムを自己評価するという習慣が続いている。20XX年はコレ、という具合に、その一年のうちに手に入れた全アイテムの中からもっとも買ってよかったと思うもの──あるいは限りなく後悔の少ないもの──を選ぶの…
えんえんと降りやまない梅雨の雨のように残業の日々がつづいている。来る日も来る日も、終電や終電間際まで働き、週末も、休日という日が遠い星の出来事のように僕は出社して働いていた。とにかくいろいろな仕事が同時進行ですべからくエンジンフルスロット…
桜の開花宣言が飛び出した春のはじまりに、会社の同僚に誘われて舞台を見に行った。南山大学の演劇部のOB・OGが立ちあげた「劇団あおきりみかん」という劇団の舞台です(20年もつづいている息の長い劇団)。僕にとって舞台というものはまったく門外漢のジャ…
土曜日の朝になると、僕は無意識に着替え、無意識に顔を洗い、無意識に図書館にでかける。おきまりの行動がじぶんの中にプログラムされているみたいだ。出かけるときも自宅から徒歩5分という好立地にあるので、重い腰をあげるような状態になることはなく(…
小学生の頃、学校の授業を終えてうちに帰ると玄関先ですぐさまランドセルを床に放り投げ、靴も脱がずにその足で近所の公園に出向いて、同年代の友人たちとサッカーをしていた。日が暮れるぎりぎりの時間までサッカーボールを追いかけていたのを今でもわりと…
桜は開花し、街は彩りに満ちてくる2019年3月のおわりに僕はまだ2018年を生きている。どういうことかと申し上げますと、僕の部屋はまだ2018年のままなのだ。まるで片づいちゃいない。そりゃあ、風呂掃除したり、床をキレイに拭いたりするような小掃除はして…
左手で箸を持ち、飯を食っていると、僕と初めて食事を共にした人は、「左利きなんですか?」と訊ねてくる。不思議なことにかなり高い確率でこの質問が飛んでくるので、世の中の人は左利きに対する興味・憧れ・好奇の目があるのかなあ。もっとも、単に初対面…
2019年3月17日、日曜日の午後2時過ぎ、僕は横浜のみなとみらいにある神奈川県民ホールに訪れていた。SPECIAL OTHERS(通称スペアザ)のライブがこのホールで行なわれるからである。僕はチケットを購入した昨年末から、夜の海辺で流れ星を待つ少年のように…
日曜日の朝。部屋の掃除をしていると友人から「中目黒にできたスタバ行かない?」というラインが届いた。先月末にオープンした「スターバックスリザーブロースタリートーキョー」のことだろう。僕は迷った。スターバックスに対して強い思い入れはないし、そ…
「ジョージ」という名前の子供(男・3歳)がいる。大学時代の友人の子供だ。ジョージ君はよくかけっこをする。午後の昼下がりにテラスのあるカフェでジョージパパと僕がくつろいでいると、ジョージ君は僕ら二人を呼んで、隣接の広場を指で指しながら「よー…
突然の告白をお許しください。僕の仕事机には様々な参考書・ビジネス書とともに桐谷美玲さんの写真集が鎮座されている。彼女の写真集は僕にとって仕事をする上で欠かせない大切な相棒になっている。といっても、べつにいやらしいツールとして使っているわけ…
僕にはいいかげん直した方がいいよなあと思いつつ、改善されていない悪習がある。駄洒落である。駄洒落を言うのは誰じゃ? と口走ったことはないが、自分のプロフィール欄に「癖」の項目があれば、「駄洒落」と記して違和感のないくらい習慣化している。もっ…
何十キロもの距離を走り、見上げるほど長い階段を何往復もし、ジムに戻ってひたすらミットを打ち、それからサンドバックに全力で拳を放ち、シャドーをし、筋肉トレーニングを行い、また走りに行く。大事な一戦に向けて、血反吐が出るくらい体を追い込むプロ…
■名前:エイガ ■価格:100~2200円 ■効能:・心の棘を取り除きます ・沈んだ気持ちを晴らせてくれます ・カタルシスを味わせてくれます ・気分を高揚させてくれます ・ご飯がおいしくなります ■用法:家で観るより、映画館で観たほうが効果は覿面(てきめん…
一桁だと気分が凹み、二桁だとちょっと嬉しい。バレンタインのチョコの数ではなく、気温の話です(チョコなら一桁だって嬉しい)。 冬の朝は、起きたらまずスマートフォンを取り出してその日の空模様と気温を見てしまいます。晴れか雨かも重要だけど、それと…
チョコレートといえば、甘いお菓子である。疲れ切った体や頭から煙が出るくらい考えた脳味噌に甘い糖分を届けるお菓子である。しかし、そんなスイーツな世界に人々を誘うチョコも苦くなる日がある。バレンタインだ。この日ばかりは、甘くておいしいなんて言…
男子トイレに入ると、時々、見かける光景があります。鏡の前で、前髪をくねくねし、おでこを少しだけ出し、と思ったら、またおでこを隠す、といった類の髪型のセットです。女子トイレに入ったことはないので(あったら問題である)わからないですが、女性陣…
朝、通勤で道を歩いているとき、目の前で鳥の糞が落ちた。 あと一歩、前を歩いていたら、僕の頭上にピタリと命中していただろう。もし髪の毛に当たっていたら、ひどく落ち込んだ1日になったに違いない。だが、上司に「鳥の糞が落ちてきたんです」と言ったっ…
あれは確か僕が小学6年生の修学旅行のときのことだった。栃木の日光にバスで向かう途中、車内ではクラス全員でヒット曲を歌うカラオケ大会のようなイベントが催されていた。歌の選曲はサザンオールスターズ、Mr.Children、スピッツ、SMAP、globe、安室奈美…