NBA JAPAN GAMES 観戦記

 何を隠そう(べつに隠してはないんですが)、僕はバスケ好きである。中学、高校、大学と僕の学生生活はバスケとともにあった。だから、バスケットの世界最高峰のリーグであるNBAは、あらゆるスポーツの中でいちばん好きなスポーツです。シーズン中は、うちに帰るとNBAのハイライト動画を見ながら、夕飯を食べることが日課で、その時間がささやかな幸せだったりする。

 このあいだ、NBA JAPAN GAMESという、NBAのプレシーズンの試合(プロ野球のオープン戦みたいなもの)を観に行ってきた。平日だったけれど、この日は仕事を休むと前から決めていて、どんな用事よりも優先する予定として僕のスケジュールに組まれていた。

 10月8日。会場はさいたまスーパーアリーナ。「ヒューストン・ロケッツ」と「トロント・ラプターズ」の対戦。ご存じないかと思いますが、ロケッツは「ジェームズ・ハーデン」と「ラッセル・ウェストブルック」というNBA屈指のスーパースターが所属しているチームである。ウェストブルックは、今シーズンからロケッツに移籍してきた選手で、しかも、ケガを負っていたので、この日の出場は不透明だったんだけど、スターターの発表が会場で行われ、彼の名前がコールされた時は、大歓声が沸き起こった。ハーデンとウェストブルックの競演(いささか大げさに言えば、メッシとC・ロナウドが同じチームにいるような感じ)を自分の目で見られることに少なくない興奮を覚えた。

 観客の大歓声とともに試合がスタート。のっけから両チームとも華麗なプレーを魅せてくれる。シュートが決まるたびに、客席から「おおおお」という歓声が沸き起こり、とてもいい雰囲気で試合が展開される。さらに、ロケッツの(というよりもNBAの)スーパースター、ジェームズ・ハーデンが観客を煽り、彼の十八番であるステップバックシュート(後ろにステップを踏み、ディフェンスを躱しながら打つシュート)を決める。そして再び起こる大歓声。この日は、気持ちいいほどにシュートがポンポンとリズムよく決まり、爽快だった。世界最高峰の選手のプレーは、極上のエンターテインメントを観覧しているようだ。

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黒のユニフォームの13番が、ハーデン

  NBAプレイヤーのプレーは見逃すことができない。バスケットは攻守の入れ替わりがとてもスピーディーで、どんどんシュートを放つ。一瞬でも目を離すと、スーパープレーを見逃し、観客の歓声だけを聞くことになってしまう。そういう事態がしょっちゅう起こるので、たとえばスマートフォンを見たりすることなんでできない。

 プレシーズンの試合ということもあり、しかも遠路はるばるやってきた日本という国で開催されていることもあり、スター選手は顔見せ程度でベンチに引っ込んでしまうのかなと思っていたら、それなりに長い時間プレーしてくれた。とくにラッセル・ウェストブルックは怪我明けということもあり、もしかしたら今日は出場しないかも? というようなニュースも飛び交っていた中、わりと長い時間、しかもハッスルプレーをしてくれてとても楽しむことができた。ウェストブルックという選手は、毎試合、「今日が人生で最後の試合」というくらい命を削ってプレーをするスター選手で、いちどこの目で見てみたいと思っていた選手だったから、ぞんぶんに目に焼き付けることができて、僕の心は終始踊っていた。

 それからNBAは、ほんとうに観客のことを意識していて、飽きさせない工夫が随所に見られた。タイムアウトやハーフタイムでプレーが止まるときに、いろんなミニイベントが始まる。スーパーダンクショーを開催したり、チアリーダーによるダンスショーが始まったり、各チームのマスコットキャラによるショーが行われたり、たくさんのTシャツを観客席に投げ込むショーが行われたり、観客がついスマホを取り出して別のことをし始めてしまうような空白の時間をまったく作らせない。そういう姿勢がとてもすごいなと思った。

 そしてやはり映像で見るのとはひと味違いますね。いつもパソコンの画面で、NBAプレイヤーたちのプレーを楽しんでいたけれど、なにごともそうだと思いますが、自分の目で見るNBAは華麗で、激しくて、ショーで、豪快で、至高だった。ああ、僕はやっぱりNBAが好きだなあと思いました。

 今週から、2019-2020のシーズンが開幕しました。また、NBAとともに過ごせる楽しい夜が始まります。

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「おおお!」という歓声がなんども起きていました