人生は、ボーナスステージだ。

誰かと話している場で「人生はボーナスステージだ」をぼそっと口走ると「ほう。その心は?」と興味深い眼差しで尋ねられることがある。

遠い昔に「人生とはなんだろう?」と天を仰ぎながら考えたことがあって(おそらく、多くの人が一度は考えたことのある問いだと思う)その時にたどり着いた僕の一つの答えが「人生ボーナスステージ論」だった。

哲学的な話ではないし、たいそれた論でもない。シンプルにこう思ったのだ。僕らはみんな現世界の門をくぐり抜けるまでに、数億ものライバルを打ち倒し、勝ち抜いてきたわけである。熾烈な競争をいくたびも勝利し、強者をねじ伏せ、この世に参加できるチケットを手に入れたのだ。

つまるところ、この世は、勝ち抜いたものたちのご褒美であり、ボーナスステージなんだな、と若かりし僕は(いささか強引ではあるけれど)一つの答えを導きだしのたです。今でもその考えは、僕の心の深淵から剥がれることなく残っている。せっかく手に入れたご褒美なのだから、楽しく生きたいなあと思うのです。